危険な香り・・・それはNapoli

2008年11月25日(火)

今日も雨。

AM8:00ちょい前に朝食ROOMへ。

REX(フィレンツェで滞在したホテル)同様セルフ式で、
チーズ・ハム・サラミ的なもの・ヨーグルト・パンなどがあり。

【飲み物はブラッドオレンジジュースをチョイス。buono!】

※私、↑の写真にもあるNutellaが大好物なんです。
ホテルやB&Bの朝食テーブルに山盛り置いてあったら、
多めにもらってしまいます。

日本でも輸入ショップやアマゾン等で買いますが、
なんと日本で手に入れられるものはオーストラリア産なんです・・

味なんて同じやんと言う人も居ますが、違います!
イタリア産のほうが甘さがしつこくなく、ヘーゼルナッツの香ばしさが強いですね。

ちなみに日本ではヌテラやヌッテラと呼ぶ人を多く見受けますが、正しい発音は”ヌテッラ”です^^



話を戻しまして・・・


昨夜の疲れが残り口数が少ない私たちは黙々と朝ごはんを食べていたが、ふと、近くのテーブルにメガネのアジア人兄ちゃん2人を発見。

最初は中国人かなと思いスルーしていたけど、
耳を澄ませば聞こえてきた会話が日本語だった!

俄然嬉しくなり話しかけてみると、彼らは大学院生であり、
半分仕事・半分学生としてL'Aquilaに来ているそう。

ここHotel San Michele 一点集中で既に数ヶ月滞在しているが
日本人に会ったのは初めてだと言っていた。

そうだろうよ・・・。

確かにこの辺境に観光客は滅多に来ないだろうよ。

彼ら曰く、今日は雪が降るとか。



労いの言葉を述べ、バイバイしチェックアウトの時間。

2人で一泊90Euro.

レセプションのお姉さんにこれから向かう先のバスの時刻や
料金を聞き、外に出たらわかっていたけどやっぱり雨&寒い。

【常に坂。いつも坂】

【なんてことない朝の町の様子】

それでも、昨夜は真っ暗で何一つ見ることができなかった景色が広がっていた。

【すでに雪が積もる山々】

景色、町並み、自然が美しく、
ラクイラは本当にかわいい町という印象を受けた。

坂が多くて石畳がキレイ。緑も豊富でおススメだ。

途中、公園に立ち寄る。

雨に濡れたタイルの模様がきれいだった。

そして何より空気が澄んでいて最高においしかった。

来て良かった。



10分で着くはずのバスターミナルに40分かけて到着as usual.

迷うのはいつものこと。

本日の目的地はナポリだが、アクセスの都合上、一旦ROMAへと向かう。

ROMA行きのバスが皆目わからんかったので駅員風のおっちゃんに話しかけると、わざわざチケット売り場まで連れて行ってくれた。そしてなかなかに遠かった。

優しいおっちゃんありがとう。

ciao ciaoして、無事チケットを購入しバス待ち。


※現在はどうか判らないが、当時はラクイラからローマへ向かうバスの終点はテルミニ駅ではなく、Tiburtina
(ティブルティーナ)駅だったので利用する方は要注意。
私たちはティブルティーナ自体初耳だったので、窓口のお姉さんと「テルミニ!」「ティブルティーナ!」の押し問答を繰り返すこととなり、買うのに苦労した・・



来たバスはでっかくて2階付。わーい

見事2階席GETで、ROMAへGO!

ローマまで約2時間の旅。その間の景色が・・・やばかった。

すごく綺麗で、今までに見たことがなくて、
涙が出るくらい感動。

自然が豊かで、本物のイタリアを見れた気がした。



観光地ではないイタリアも本当に素敵だ。


あっという間のバス旅で、ROMAに着いた。

ナポリ行きの列車へ乗るためにはTermini駅(テルミニ)というローマで最も大きい駅に向かわねばならぬ。

約2日間とはいえ、今までど田舎にいた我々は
急に大都会のメトロに乗り込まねばならんことを憂鬱に感じており、メトロこわいぃぃ状態であった。

切符を買おうとすると早速、
手伝おうか?と歩み寄ってきたお兄ちゃん。

イタリアに行ったことがある人はご存知と思うが
チップ欲しさに観光客にグイグイ寄ってきて勝手に券売機の操作を始めたかと思うと、1€おくれ。と言ってくる人たちがいる。

私たちも何度か遭遇してきていたので自動的に警戒心が反応してしまった。

しかし、彼は日本が好きで日本語を1年間勉強していたこともあるらしい。

こういう人に出会う度、少しでも警戒してしまった自分の心が嫌になる。

彼のおかげで多少リラックスしてメトロに臨むことができた。

Grazie. 兄ちゃん。



テルミニ駅に到着し、Napoliへのチケット購入も済ませ、
難なく乗車へ。


しかし、trenoの中で事件は起きたのであった・・・

というか序章。

最初、普通に着席していた私たちだったが、
あとから乗車してきたおばちゃん2人が座りたそうにしたため
席を移動することにした。

わりと混雑している車内ではスーツケースが邪魔くさく、
車両と車両の間の空間へ移動。

小さな窓の下にかろうじて人1人分が浅く腰掛けられるイスめいたものがあったので、1人は立ち、かわり番こに座ることにした。

人目には付きにくいけど、結構人通りが激しく、
わりと話しかけられるので怪しかったり怖い雰囲気の人にはイタリア語が解らないフリをして過ごした。

段々と疲れてきたころ、1人のおっさん登場。

おそらく50代後半と思われる彼はスーツを決め込んでいて、
紳士的には見えたが面倒くさそうだったので
例によってイタリア語が解らない感じを装っていたのだが、
しつこい。

やっとこさ去ろうとした時、
思わず口をついてサヨウナラと言ってしまった。


なんや、イタリア語喋れるんやーん!という感じで
食いつきぶりが凄まじく、どこへ行くのか聞かれたので
ぼそっと「ナーポリ」と呟くと、

奴はナポリ出身らしく喜ぶ喜ぶ。

ホテルはどの辺や?駅近くか。あの辺りは気をつけなあかん。
などと言いながら、

「じゃあ今夜、夜ごはん一緒に食べようじゃあないか!!」
と、ハイテンションで誘ってきた。

おっさんさぁ、行くわけないやろ・・・?

と言いたかったが、ホテルの大体の位置も知られてしまったため非常に断りづらい状況に。

何よりこわいし展開が意味不明である。

困る。友人とともに顔ひきつる。

(しかもこのおっさん、挨拶と称して調子に乗って私たちのほっぺにチューを何度もしてきて私は途中でブチ切れかけた。それ以降は諦めた模様だった)

【完全にマルコペースに巻き込まれ・・・】


そうこうしているうちにNapoli Centrale(ナポリ中央駅)に着いてしまった。

その男、Marco(マルコ)と共に下車。

ナポリは危ないからって目を光らせながら我々をホテルまで警護してくれたはいいが、アンタも十分危ないのよ・・・

ホテル下で「ほな、17時にここな!」

と笑顔で言い残し颯爽と去って行ったおっさんマルコ。

とりあえずチェックイン。

フロントマンにやたらお世辞を言われ手の甲にキスされたが、
もう慣れっこ。

日本だったら通報するが、この国ではなんとも思わない自分の適応能力にも驚きだ。



ルームキーを受け取り、部屋へ。

部屋は十分に広く、キレイ。

そんなことより、さてどうする。

マルコとの夕飯についての会議が始まった。

ふたりとも、もの凄く行きたくなかったが
ホテルの位置を知られてるし、ずっと待たれても嫌やし、
外出したいのにできひんよな・・・

ということで、今振り返れば何故行ったのか不思議だが、
結局行くことに。



約束の時間に、奴は居た。

私たちの重苦しい雰囲気とは裏腹に

「チャオ~!とりあえず行こうか!」

と、颯爽と早足で歩きだすので(しかも早足)
こちとら若干小走りでナポリの町に踏み出し、
人々の会話や車の喧騒のなか、やっとのことでマルコの隣へ行き、大声でどこへ行くのかを尋ねた。

すると奴は当たり前のように答えた。

「友達も来るから。待ち合わせ場所!」

はん?おっさん、言うてること違いますやん。

夕飯に誘われたとき、私たちはしつこく
1人か?ということを聞いた。

そして「1人やで」と言い張ったので渋々OKを出したのにも関わらず、友達が来ると言いやがる。

世の中において、そしてイタリア人にとって約束や発言に対する責任とはなんだろうとまで考え始め、こわくなった私たちは急に無言になりだした。


異変に気付いたのか、奴は後ろを振り返り
「こわい?」と、ちょっと笑いながら聞いてきた。

うん。と答えると、

「なにが怖いのさ?!」って。 フザケンナ!

そして待ち合わせらしき場所へ到着し、
マルコの友達のおっさん(名前忘れた)が来た。

しかも車で。

このあと私たちは一体どうなってしまうのか・・・と思いながら絶望の気持ちで車へ乗り込み、彼等は対照的によくわからないナポリ弁で愉快そうに喋っていた。



かくして、我々の奇妙なナポリドライブが始まった。

まず、Napoliはいつ去るのかと聞かれた。

本当は2泊する予定だったけれど、ずっと付き纏われても
うっとうしいので嘘をついて「明日Romaへ発つ。」と告げた。

するとおっさんふたりは突然焦りだし、

「ほな今日中にナーポリの名所巡らなあかんやん!!」

と言い、なんのツアーガイド魂かわからないが、
ルール完全無視の爆走運転でめくるめくナポリを回ることとなった。 笑

(あまりの荒い運転に、死を覚悟した)


次の日行こうと思っていた場所[広場や卵城など]を
大忙しで巡り始め、車がないとなかなか行きづらいであろう
山の中腹にある有名なナポリ湾を見渡せる場所へも連れて行ってくれた。

ただ、もう陽が沈んでいたため暗くて全てにおいてよく見えなかったけども。。


夜ごはんは山道の途中にある地元民しか知らないようなところへ入った。

こぢんまりとしていてアットホームな温かみのあるごはん屋。

pizzaを1人1枚マルゲリータと、

魚介のフリット、パンの上に粗く刻んだ
トマトを載せたブルスケッタというものを注文した。


というか有無を言わさず勝手にオーダーしていた。

飲み物は、アックア・ガッサータ。(炭酸水)
好みじゃないので普段自ら頼むことはないが、おいしかった。


とにかく料理が美味しすぎて正直何を話したかはほとんど憶えていないが、日本もイタリアも地震が多いよね~。
ということは話し、お互いに共感し合った。

食事を終え、おごってくれた。

帰り道にも有名なスポットを通ったり、奴らは陽気に歌を歌いながら、ナポリが美しいかどうかをひたすらに聞かれた。

30回ほど聞かれたところでウンザリはしたが、
機嫌を損ねさせてこんなところで車から降ろされてはたまらないと思い、「Bella! Molto bella!」(きれい、めっちゃきれい!)を言い続けた。

【ナポリ人のナーポリ愛には感服した】

ホテルの近くへ着き、お別れのとき。

車を出てバイバイするとき、

「ナーポリで知らないおっちゃん達とピッツァ食べたで~って、日本に帰ったら友達に言っておいて」

と言われたとき、不覚にもうるっときて、少し切なくなった。


沢山チューされたり、抱きつかれたり、夜の卵城で急に持ち上げられ海に落とされそうになりマジで半ギレしたり、食事の最中にずっと手を握られて気持ちが悪かったり、マルゲリータのトマトソースを顔に塗られたりしてトータル鬱陶しかったことも、一瞬全て飛びそうになり、

まァ、いいやつだったよな。ということで別れ、
ホテルへ戻り長い1日を終えた。


明日もナーポリ!


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